宝蔵寺 岩谷堂観音−上田市−神社仏閣

宝蔵寺 岩谷堂観音

信濃三十三観音霊場第23番札所の古寺。
慈覚大師円仁によって開かれ、円仁の手彫りの聖観世音菩薩をご本尊としています。
切り立った断崖を背にして建ち、朱塗りの観音堂が一際目を引きます。
木曽義仲が戦勝祈願に訪れたお寺としても知られ、
祈願の際に乗ってきた馬を繋いだという山道脇の桜の木は樹齢800年にもなります。
春にはこの桜をはじめとして境内の桜が花開き、朱塗りのお堂と相まって美しい景観を作り出します。

花の見頃

◯ 桜 4月上旬〜中旬  ☆2022年4月12日現在、見頃
*開花時期は毎年異なります。桜の種類によっても開花時期がずれますので、
 事前にご確認の上お出かけください。

主な仏閣

◯ 宝蔵寺本坊  ◯岩谷堂   ◯ 二尊堂  ◯ 聖徳太子堂  ◯ 義仲桜
*境内、駐車場にお手洗いはありません。

入山料

なし

周辺の施設

◯ 丸子農産物直売センターあさつゆ
◯ 丸子総合体育館、テニスコート
◯ 丸子公園、安良居神社

駐車場

あり(無料/約20台)

住所

〒386-0412 長野県上田市御嶽堂84

アクセス

◯ 車利用
  東京・北陸方面 上信越自動車道 上田菅平インターより約30分
  名古屋方面   長野自動車道 松本インター/安曇野インターより約1時間
◯ 鉄道、バス利用
  ①北陸新幹線 JR上田駅−しなの鉄道線(所要約6分)−大屋駅下車、タクシーで約15分
  ②北陸新幹線 JR上田駅−千曲バス (丸子・鹿教湯方面/所要約45分)
   −「自治センター前」バス停下車、 徒歩約15分
  ※現在、2019年の台風19号被害により「内村橋」が通行止めになっており、
  ②の自治センター前バス停から徒歩でアクセスすることが難しいですので、
  ①のアクセス方法が無難です。

編集者コメント✑

上田市御嶽堂(みたけどう)にある宝蔵寺、通称「岩谷堂観音」へ行ってきました!写真は桜バージョンに差し替えました!
実は、編集者が気になって気になって仕方がなかったお寺なんです。
上田市丸子近辺の県道152号線を車で走っていると、民家の間から山の中腹辺りに朱一点、お堂が建っているのが遠目に見えます。写真をご覧の通り、鮮やかな朱色のお堂なので遠くからでも何かあるなというのがよく分かります。
「あんな山の所に、なんだろ〜?」と思いながらいつも通り過ぎていたのですが、地図で大体の場所を調べてみるとこの岩谷堂観音であることが分かりました。
以前ご紹介した「丸子公園」の丸子城跡からも見えます。

お寺の駐車場に到着すると、道を挟んだ向かい側に参道の入口がありました。
駐車場から見上げると朱色のお堂が見えます。
 
6体のお地蔵様に迎えられながら進むと、山に向かうようにして石段が伸びていました。
お堂が上の方にあるので、階段を登るんだろうなぁと予想していたので案の定といった感じでした。
石段を見上げるとけっこう急勾配で、実際に上がっていくとちょっと息が切れますが、段数は100段くらいでしょうか?(もっとある?汗)
人によっては結構きついかもです。

石段の途中、左側には「義仲桜」が圧倒的な存在感を放っています。古木ながらしっかりと枝に花が咲き、見事でした!

このお寺はかつて木曽義仲が戦勝祈願をしたと言われており、馬に乗って参道を駆け上がり、馬をこの桜の木に繋いでお参りしたそうです。
桜の木は義仲が植えたもので、今では樹齢800年とされています。800年、、古木を見上げながら悠久の歴史に思いを馳せます。

義仲桜より上には、山門が構えています。参道と境内をはっきりと分けるかのように立ち塞がっていました。
額には何やら象形文字のようなものが書いてありますが、お寺の山号である「龍洞山」と読みます。

山門を潜りながら最後の何十段かの石段を登り切ると、山の中腹に平らにならされた境内が。
左手には薬師如来と阿弥陀如来を祀る「二尊堂」、右手にはお目当ての「岩谷堂」がありました。
二尊堂をお参りした後、岩谷堂を参拝しました。
遠目から見ても存在感を放っていた岩谷堂。近くで見るとやっぱり大きかったです。
境内がそれほど広くないというのもあり、お堂の全景を写すのに後ろに下がらないと収まりませんでした。

お堂の屋根には「赤鬼」と「青鬼」が睨みを利かせていました。鬼瓦は見たことがありますが、このような意匠は初めて見ました。
お堂の正面の屋根の内側も極彩色で、日本ぽくない感じがしますね。
 
お堂は岩壁にぴったりとくっついていました。

境内には二尊堂と岩谷堂のほかに、展望所も設けられていました。
人が一人通れるだけの舗装された細い道を上がっていくと、丸子の町が見下ろせる「月見堂展望台」が。
月見堂というからにはお月様もきれいに見えるのでしょう、開けた景色に想像が膨らみます。
ベンチに腰掛けてゆっくりと景色を楽しむのも乙なものですね。
この日は浅間山もきれいに見えました♫
 

↓展望台への道の途中からは、岩谷堂が見下ろせます。

ここで、お堂の裏側に入れることを相方の編集者が発見。
確かに、岩壁に張り付いて建っているお堂の脇に岩壁の中へと続く出入口が、、!
何や何や〜?!とさっそく行ってみると、そこは天井の高い洞窟でした。
 
光の関係で見えませんが、奥に観音像と石碑?が安置されていました。
そもそも、このお寺は慈覚大師円仁が開いたとされ、円仁手彫りの聖観音像をご本尊としています。
かつてはそのご本尊をこの洞窟内に安置していたとか。
今は洞窟内にご本尊はありませんが、洞窟自体は公開されているようです。

洞窟は写真に写っている赤い門の先、さらには観音像と石碑がある先にも続いていました。
しゃがまないと入れないような穴があり、奥は曲がっていて先までは見えませんでした。
洞窟は光源がないと真っ暗でなんとも言えない怖さがあり、さすがに奥に進む勇気はありませんでした、、
暗すぎて写真は撮れませんでしたが、その様子は動画にてご覧ください!

最後に、聖徳太子堂を参拝。
義仲桜の向かい側に道があり、進んでいくと聖徳太子堂に続く遊歩道?がありました。
す、すごい道、、汗汗

半分崩れてる?手すりもグラグラしているところがあったので注意が必要です(愕愕)

聖徳太子は仏教を保護し、広めた人として宗派を越えて信仰されているそうです。
小さいですが、聖徳太子像が安置されていました。
 

聖徳太子堂の先には「岩窟古墳」の看板が。
この岩窟は古墳時代後期の墓地で、人骨や鉄剣、銅鏡などの金属製品のほか、糸を紡ぐための道具や刀子など生活に必要なものも出土しているそうです。
こんな所に古代の人々が生きていた証があるとは、、とても驚きです!!
しかし、ここは崩落の危険があるため現在は立ち入り禁止になっています。

↑左上に洞窟。落石防止のためか物々しく柵が設置されています。

岩谷堂観音。
期待通り面白く、想像以上に興味深い所でした!お寺に特別興味がなくても、オススメのスポットです。
階段が多いのと、足元がよくない所がありますので歩きやすい靴、動きやすい格好でお越しくださいね。
春には桜の名所としても見学の価値があります!桜の時期は夜のライトアップも行われているそうです。
お堂周辺が薄紅の桜に包まれ、とても綺麗でしたよ!
午後はお堂の背後の山に太陽が入り暗くなるので、撮影するなら午前中が良いかもしれません。
地元では桜の名所として知名度が高いようですが、そんなに人がたくさん来るという感じでもないのでお花見スポットとしてはけっこう穴場だと思います。
お寺や歴史好きの方はもちろん、気軽にお花見したいという方にもオススメの場所です♫

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