千手院 平林観世音−佐久穂町−神社仏閣

千手院 平林観世音

慈覚大師・圓仁により開基された、千手観音菩薩をご本尊とする天台宗のお寺です。

信濃国佐久観世音霊場の第十四番札所でもあり、地元民からは平林観音様と呼ばれ親しまれています。

境内には四季折々の山野草が花を咲かせ、寺院に彩りを添えてくれます。

主な仏閣

◯ 観音堂      ◯ 子安地蔵
◯ 仁王門      ◯ 愛染堂
◯ 山王社      ◯ 鐘楼
◯ 弁天堂      ◯ 客殿
◯ 子安堂           

入山料

なし

拝観時間

いつでも参拝できます。

周辺の施設

国道141号線付近に飲食店やコンビニがあります。
(カフェや定食屋、レストラン、カレー屋など)

駐車場

あり(無料/約30台)

住所

〒384-0611 長野県南佐久郡佐久穂町平林263

アクセス

◯ 車利用
  上信越自動車道 佐久インターより約30分
  中部横断自動車道 佐久臼田インター/佐久穂インターより約10分
◯ 鉄道利用
  北陸新幹線 JR佐久平駅より小海線に乗換え、「羽黒下駅」下車
  羽黒下駅よりタクシーで約3分、徒歩で約10分

編集者コメント✑

佐久市との境近くに位置する静かな寺院です。
たまたま佐久穂町に行く機会があり、ついでに観光できるような場所を長野県の地図で探していたところ、この寺院を見つけました。
地図には「卍平林観世音」と表記されていました。
地図に乗るくらいだから大きいお寺なのかなと思い、ホームページを見ると広めのお寺のようでしたので行ってみる事にしました。

ホームページに載っている境内図を見ると、けっこう階段があるのが分かります。
かなり歩くことを覚悟して行きましたが、実際はそれほどではなかったです。
仁王門へと続く階段は人によっては「ここを登るのか、、」とちょっとげんなりするかもしれませんが、立派な仁王門を見ると疲れなど吹き飛びます。
石の階段と木造の仁王門は下から眺めても堂々としていて良い雰囲気です。
門の両脇には、仁王様と称される金剛力士像が睨みを効かせていました。 

仁王門を抜けると平坦な場所が広がっており、また少し階段を登ると弁天堂・十王堂と子安堂があります。
弁財天をご本尊とする弁天堂は、一見昔の日本家屋のような佇まいで親近感を覚えますが、お賽銭を入れる隙間から中を覗くと、しっかりと弁天様が鎮座されていました。
日本では七福神の一神として知られていますが、古くから水の天女神、農業神として信仰されています。
弁天堂の隣には十王堂があり、閻魔様を囲んで十人の仏の化身が安置されています。
十王堂は正面がアクリル板になっているので閻魔様と十人の仏の化身の姿がよく見えました。
一体一体のお顔を見るといろんな意味でけっこう迫力があります、、汗

弁天堂・十王堂とは反対側に位置する子安堂は、如意輪観音をお祀りしています。
「意の如く願いを叶えてくれる」そうで、特に子授けや安産、子育ての観音様として知られています。
こじんまりとしたお堂ではありますが、お堂の正面に飾られた千羽鶴が参拝者が多くいることを物語っていました。

そして、弁天堂や子安堂がある広場よりもさらに上に観音堂、いわゆる本堂があります。
六体のお地蔵様に見守られ階段を上がって行くと、堂々とした観音堂が眼前に。
観音堂に安置されているご本尊、千手観音は正しくは「千手千眼観世音菩薩」と言うそうです。
両手両眼の外側に左右それぞれ二十本の手を備えていて、その掌には一眼ずつを有しています。
この一手一眼がそれぞれ二十五の働きをして世の苦しみを救うため、四十手に二十五を乗じて千手、千眼と言われているそうです。
これは人々一切の苦しみを救う無限の慈悲を現し、諸願成就、現世利益があるということで広く信仰されています。

お堂は天井が高く、その天井部分に色鮮かな二体の天女様が描かれていました。
お堂内の左脇にはびんずる尊者が安置されており、長野市の善光寺本堂にあるびんずる尊者よりも新しく、大きめでした(善光寺のびんずる尊者は撫でられすぎてのっぺらぼうのようになっています)。
 

お堂の右脇には朱塗りの橋がかけられており、その先の地蔵堂に繋がっています。
橋は真ん中が盛り上がっているアーチ状で、端から見るには優雅で見映えするのですが、実際に渡るのは少々大変でした(汗)。
地蔵堂のご本尊である地蔵菩薩は、水子の霊や幼くして死んだ子どもの苦しみを代わって引き受ける代愛苦の菩薩様です。
お堂の中を覗くと、子どものために供えられたと見受けられるぬいぐるみや人形が目に入りました。

地蔵堂の手前には大きく聳える鐘楼があります。
毎年、大晦日になると除夜の鐘を撞くために解放されます。

ひと通り境内を見て回ると、境内よりも低い位置に見えている大きな屋根が気になりそちらへ行ってみました。
仁王門を出る手前の脇の階段を降りると、そこには「客殿」がありました。
客殿の中をみることは出来ませんでしたが、本堂と同じくらい大きな建物で、ご本尊の弥陀三尊(阿弥陀如来・観音菩薩・大勢至菩薩)、さらには護摩堂で祀られていた不動明王も合祀され、安置されています。
客殿は催し物が行われる時に利用される事もあるようで、床暖房が完備されているそうです!

この日は休日でしたが参拝者はほとんどおらず、ゆっくりと参拝することができました。
地元の方でも二年参りで訪れるくらいの場所かもしれませんが、けっこう立派なお寺だと思いました。
暖かい季節は境内に咲く花々が美しいと言われているようなので、次回は花の季節に訪れてみたいです。

寺院へはナビを使えばアクセスは容易ですが、寺院周辺の道は少々狭めなので注意が必要です。
駐車場はわりと広めなので、お寺で行事がない限りはいっぱいになることはないでしょう。
お手洗いは境内にはありません。
141号線沿いにコンビニがあるので、そちらで済ませて行くのが無難だと思います。

お寺は目的を持って行く方が多いと思います。
その宗派の方だとか、供養のためとか、御朱印を集めているとか、色々あると思いますが、なんとなくふらっと訪れてみた、というのでも私は良いかなと思っています。
特に今回の千手院のような静かなお寺は自然と心が落ち着く気がします。
日常を離れて仏の領域でちょっと一休み、もありかもしれません。

↑駐車場から見える浅間山

【プチ情報】
千手院周辺の飲食店というと141号線沿いに点在していますが、特に最近地元で人気を博しているのがカレーを提供する喫茶店です。
*カレー屋ヒゲめがね 〒384-0613 長野県南佐久郡佐久穂町高野町2950−8
千手院を参拝した後にお店の前を通り過ぎたのですが、外で待っている方が何人か見受けられました。
あとで地元の方に聞いたところ、かなり人気のようで休日のお昼時はいつも混雑するそうです。
こういった飲食店もいずれは記事に出来たらと考えていますので、お楽しみに〜☆

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