皆神神社
長野市松代町の東南位置する皆神山の山頂に鎮座する神社です。
北の戸隠とともに修験道の霊山として篤く信仰されていました。
皆神山は円錐形の独立山であり、松代群発地震の震源地となった場所で、
その山容から近年では世界最大最古のピラミッドであると囁かれ、
パワースポットとして知る人ぞ知る場所です。





ご祭神 | ◯ 出速雄命(イズハヤオノミコト) ◯ 速玉男命(ハヤタマオノミコト) |
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主な社殿 | ◯ 侍従神社 ◯ 熊野速玉雄神社 ◯ 富士浅間神社 ◯ 侍従大神入定所 |
駐車場 | あり(無料/約20台) |
住所 | 〒381-1222 長野県長野市松代町豊栄 |
アクセス | ◯ 車利用 |
編集者コメント✑
「皆神山」というと、どれだけの知名度があるかは分かりませんが、北信、東信なら知ってる方も多いのではないでしょうか。
皆神山は標高659mの安山岩の溶岩ドームで、長野市松代町の南東に位置しています。
1965年には、約5年半にも及ぶ群発地震が皆神山の直下で起こりました。この地震の影響で皆神山は約1m隆起したそうです。
このように長期にわたる群発地震は世界でも珍しく、県外の方であっても「松代群発地震」という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。
また、第二次世界大戦末期に日本の戦況が悪くなった際、松代が大本営・政府・皇室を含む政府中枢機能移転の予定地となった関係で、皆神山とその周辺の山に多くの地下壕が掘られたことも有名です。
編集者も学生の頃、社会科見学の一環で松代大本営跡である象山(ぞうざん)地下壕へ行ったことがあります。
自分の身近にも戦争に関係する場所があるということに少し衝撃を受けたのを覚えています。
地下壕の暗いことや内部は意外と広かったという印象も強く残っています。
近年では、その溶岩ドームの山容からこれは人工物だと言う人も現れ、「太古に作られた世界最大のピラミッド」だという説が起りました。
この話題にかこつけて、毎年5月5日には地元自治会によって『ピラミッド祭り』なるものが開催されているそうです。
皆神山山頂の皆神神社の駐車場には、皆神山がピラミッドであると書かれている(おそらく)いかにもオカルトチックな説明看板まであります。
そんなことで、かつて長い間地震があった場所から一気にパワースポットの座に押し上げれた皆神山。
そんなオカルト感漂う皆神山へ取材に行ってきました!
編集者は何度も訪れている山で、出かけた時には山頂の皆神神社(正式には熊野出速雄神社)を参拝して帰ってきます。
皆神神社に対して特に信仰が篤いという訳ではないのですが、ふとした時に「そうだ、皆神山に行こう」と思い立って行くという感じです。
実は編集者の母親の名付け親というおじさんが未来を予知できる人だったようで(驚)、母親からそれにまつわる話を聞いていたのですが、そのおじさんは「自分が亡くなったら皆神神社の池のほとりの木のところにいつも居るよ」という言葉を遺していったそうな。
昔にそんな話を聞いていたもので、編集者の心の中に潜在的に皆神山の存在があったのかもしれません。
編集者ももしかしてオカルト好き?!と思われてしまうかもしれませんが、そのおじさんが未来に起こることを確かに言い当てた事実があるので、それに関しては信じざるをえないという感じでしょうか。
まぁこの世には説明できない不思議なこともあるんだなくらいに思ってます(笑)。
話は戻りまして。
2月某日、皆神山へと車を走らせ、山の麓からおよそ10分で山頂に到着しました。
山頂までは急坂な所が少々ありますが、それほど長い山道ではありません。
地元の方でしょうか、山道を下っていく姿も見受けられました。ガンガン車が通る道でもないので、お散歩コースになっているのかもしれません。
駐車場は皆神神社の山門を通り過ぎた奥にあります。
山門手前にも車を停められそうなスペースあるのですが、停めたことがないのでいつも奥へ停めてしまいます。
奥の方は広くなっていて、十数台は停められそうな感じです。
駐車場には仮設トイレが3つ。いかにも使ってなさそうな雰囲気なので、利用するのはあまりおすすめしません、、
神社の境内にもお手洗いはありませんので、麓のコンビニなどで済ませてきた方が無難だと思います。
駐車場から少し戻るようにして歩いていくと「隋神門」があります。皆神神社の入口にあたります。
皆神山にある神社について、皆神神社のHPで紹介されていることをかいつまんで説明すると以下のような感じです。
皆神山には、「熊野出速雄(いづはやお)神社」「侍従(じじゅう)神社」「富士浅間(ふじせんげん)神社」と主に3社あります。(皆神神社は通称のようで、正式には「熊野出速雄神社」と言うそうです。)
奈良時代の718年に、出速雄神社を奉祀した伝えられています。
中世以降になると修験道が盛んになり、熊野権現を勧請。
中ノ峰・東ノ峰・西ノ峰と分かれている皆神山の三峰に、大日如来・阿弥陀如来・弥勒菩薩の三仏をそれぞれ安置して「熊野三社大権現」と称しました。
↑熊野出速雄神社
隋神門を潜ると、境内の先には侍従神社があり侍従大神(ジジュウオオカミ)が祀られています。
この侍従大神というのは、佐久の内山城主・内山美濃守満久の三男である下野守三郎満顕のことで、十三歳にして京都の鞍馬山で密教を修行し、その後様々な霊山を巡ります。
そして内山氏が滅亡する時に皆神山に入山し、皆神山の修験を完成させたと伝えられる方です。
北の戸隠と南の皆神山とで修験道で長らく栄えていましたが、明治初期の神仏分離令・廃藩置県によって山伏は全員が還俗し、出速雄命と熊野の神を熊野出速雄神社、侍従坊(下野守三郎満顕)は侍従大神として奉斎しました。
↑侍従神社。社殿の彫刻が見事です。
↑富士浅間神社
つまり、皆神山は大昔から修験の山として信仰の対象となっていて、神仏習合の時代に熊野権現を祀り、その後、皆神山に修験の場を開いた侍従大神を祀る侍従神社と、富士山を信仰対象とする起源を持つ富士浅間神社が置かれたということなのだと思います。
大昔からの山岳信仰と、現代のピラミッド説。
昔も今も、人々は皆神山に対して崇めたり、特別な存在だと認知したりしているというところが共通しているなと感じます。
それだけこの山には人を惹きつける魅力があるのでしょう。
境内にはほかにも、天満宮や弁天社などをはじめとして様々な小さなお社がいくつもあります。
あのおじさんが居るという池も。どなたか視える方いますでしょうか?
いつも不思議に思うのですが、富士浅間神社の裏側に穴と石積みがあります。
どういうものなのか、なんのためにあるのか不明です。
黒曜石のような黒いオブジェもありました。モノリス?!
境内の裏には少し開けたスペースがあり、飯綱山や戸隠山などを眺めることができます。
皆神山は、特に初詣などの行事がなければ基本的には人が少なく落ち着いた雰囲気の場所です。
神社裏手からの眺めもきれいですし、心をリフレッシュしたいという方にはおすすめですよ。
パワースポットとも言われていますので(編集者は特別何かを感じたことはないのですが汗)、人によっては何か感じるかも??
また、皆神山のある長野市松代町は城下町として見所がたくさんあります!
今は長野市として括られているが、長野市街からは離れて落ち着いた城下の雰囲気をそのままに残す町です。
お寺や神社、商家が多く、昔ながらの風情がある町並みが魅力です♫
初夏や紅葉の時期の散策がおすすめです。
松代ではレンタサイクルも利用できるようなので、気軽に町中を巡ることができて便利です!
皆神山と合わせて松代に遊びに来てはいかがでしょうか〜