湯田中渋温泉-山ノ内町-温泉地

湯田中渋温泉

湯田中渋温泉は、夜間瀬川、横湯川の流域に点在する9つの温泉の総称です。
温泉街には近代的な旅館から伝統的な和風旅館まで、様々な宿泊施設が並び、
殊に地元民と宿泊客に解放されている9つの外湯が湯田中渋の大きな特徴です。
昔懐かしい木造の旅館が建ち並ぶ路地を歩けば、まるでタイムスリップしたかのよう。
志賀高原やスノーモンキーでおなじみの地獄谷野猿公苑へのアクセスも良好で、
ウィンタースポーツや旅の疲れを癒す恰好の温泉郷です。

住所

〒381-0401 長野県下高井郡山ノ内町平穏
※宿に泊まる場合は、宿泊施設ごとに専用の駐車場が周辺にあります。
宿のすぐ近くにあるとは限りませんので、
事前に駐車場の場所を宿泊先にご確認の上お越しください。

アクセス

※湯田中駅までの経路を記載しています。
◯ 車利用
  上信越自動車道 信州中野インターより約20分
◯ 鉄道、バス利用
  ・北陸新幹線 JR長野駅…長野電鉄地下乗り場 長野電鉄 長野駅−
   長野電鉄長野線「特急ゆけむり 湯田中行」(所要約1時間)−「湯田中駅」下車
   湯田中駅より渋温泉方面までは徒歩約10〜15分
  *湯田中駅前にはタクシーもあります。

主な施設

◯ ホテル(30軒以上)  ◯ コンビニ(湯田中駅前にローソンあり)
◯ 飲食店
(湯田中駅周辺にカフェ、串カツ、ラーメン、定食など様々なジャンルのお店あり)
◯ 射的屋   ◯ 観光案内所

公衆浴場

◯ 九湯
(初湯、笹の湯、綿の湯、竹の湯、松の湯、目洗いの湯、七操の湯、神明滝の湯、渋大湯)
  渋温泉エリアに点在。大湯以外は地元民と宿泊客のみに解放されている(無料)。
  利用時間:6:00〜22:00
  ※大湯は10:00〜16:30  料金:500円(観光協会で入浴券を購入)
◯ 足湯(無料/湯田中渋温泉街に点在)

編集者コメント✑

今回は、スキー・スノボーでにぎわう志賀高原のお膝元、湯田中渋温泉に行ってまいりました!
冬だからこそ、温泉に入りたい!という日本人特有?の思いに駆られ、数ある信州の温泉の中でも、名湯として知られる湯田中渋温泉を選びました。あの有名なスノーモンキーが見られる「地獄谷野猿公苑」にも近く、その撮影もしたいというのもあったため、湯田中渋温泉が最適だと思いました。

歴史ある名湯

湯田中渋温泉の歴史は、7世紀頃にこの地を訪れた僧によって発見されたことから始まります。今から1300年以上遡るということで、相当な歴史を感じます。
そもそもは夜間瀬(よませ)川と横湯川の周辺に点在する、泉質が異なる9つの温泉を総称して「湯田中渋温泉」と呼んでいます。なので「湯田中温泉」と「渋温泉」のほかにも、安代(あんだい)温泉だったり星川温泉だったり泉質の違う温泉が周辺に湧き出ているのです。
その中でも特に湯田中と渋はホテルや旅館が多く、にぎわいを見せるので「湯田中渋温泉」という風に総称されたのです。
実際には、明確に各温泉の境目みたいなものはよく分かりませんが、宿によって〇〇温泉と名乗っているのでそこで見分けている感じでしょうか。

湯田中渋温泉郷の玄関口「湯田中駅」

そんな歴史ある温泉地ということで、温泉街も昔ながらのレトロな感じです。
湯田中温泉の方は、長野電鉄の終点・湯田中駅に近いということもあり、コンビニがあったりおしゃれなカフェがあったり、比較的大きなホテルが多かったりと、観光客向けに少し開発された印象です。

しかし、どこか昭和な感じが漂う駅前なので、湯田中駅で電車を降りた方はちょっとタイムスリップしたような気分になるかもしれません(笑)
湯田中駅は新舎と旧舎とあり、使われていない旧舎は時代を感じるレトロな建物で、開けるとガラガラと鳴る引き戸や歪んだガラス窓が当時を忍ばせます。
 
旧舎の待合所には観光パンフレットが置いてあったり、この時期ならではの雛人形が飾られていたりと、今でも湯田中渋温泉郷の玄関口としての役割を担っています。
 
旧舎の目の前には共同浴場や足湯もあり、お湯に浸かりながら電車を待つ、、なんて方もいらっしゃるかもしれませんね(笑)。
 
↑新舎はこんな感じです。ちょうど列車が入って来ました〜

情緒ある渋温泉街

一方の渋温泉は、湯田中駅からは徒歩10分ほど離れたところにあり、石畳風に整備された細い道とその左右に木造建築の旅館などが並んでいるため、情緒を感じやすいのは渋温泉の方かもしれません。

渋温泉街には、昔懐かしい射的屋さんや卓球場、温泉饅頭などの和菓子を販売するお店があり、浴衣を着て温泉街に繰り出し、射的や卓球、食べ歩きを楽しんだりと、温泉旅行に行ったなら一度はやってみたい!(私だけ?笑)ことができちゃいます!
 
↑撮影しながら温泉まんじゅうをいただく。西山製菓さんの昔懐かしい味。

↑恐る恐る射的屋に入る浴衣美女たち

夜も灯りの点った温泉街はまたひと味違って風情がありますよ。
右の写真は渋温泉で有名な老舗旅館、金具屋さん。
 

泉質・効能は様々、でも温度には注意して!

湯田中温泉の泉質は、塩化物泉・硫酸塩泉。色は無色透明で、温度は65~93℃です。
効能としては、神経痛、切り傷、糖尿病、胃腸病、疲労回復、関節炎、腰痛、冷え性、慢性湿疹、美肌などに効きます。
渋温泉の泉質は、単純温泉・塩化物泉。色は無色透明、土色、白濁など様々で、温度は58~98℃あります。
効能は、神経痛、疲労回復、うちみ、くじき、冷え性、美肌、切り傷、皮膚病、痛風、婦人病などです。

湯田中渋温泉郷は、前述の通り泉質が異なる9つの温泉の総称ですが、どの温泉も共通して源泉温度が高く、だいたい55〜100℃ほどです。
共同浴場や旅館などでは源泉かけ流しのところもあり、源泉温度もそのままなのでもちろんかなりの熱さです。多少加水して温度調節してあるところもありますが、それでも基本的には50℃前後くらいあります。
しかし、さすがに50℃以上あるお湯に浸かり続けるのは至難のわざなので、だいたいの共同浴場や旅館のお風呂などには浴槽の近くに水道が設置してあり、水道につけられたホースを湯船に入れて加水し、温度調節することができます。
しばらく加水し、入れそうな温度になったら少しずつ体を沈めていきます。次第に温度に慣れていくので、もう良いかなと思ったら水道を止めます。浴室内には温度調節が終わったら水は止めるよう注意書きがあります。
基本的にはかけ流しなので水を止めると次第にまた熱くなってきますが、その頃にはもう十分浸かったという感覚になります。

浸かりすぎるとゆで卵になります

風情ある共同浴場”九湯”

湯田中渋温泉には、足湯や共同浴場が点在しています。特に、渋温泉にある「九湯」は、地元民と宿泊客だけにしか解放されていない共同浴場で、これを目当てに訪れる観光客も少なくありません。
九つの湯共通の鍵で出入りすることができるようになっています。湯田中渋温泉に宿泊すると、各宿で専用の鍵を受け取り、滞在中の決められた時間内でどの湯にも無料で入ることができます。
しかし、共同浴場というと多くの方が入れるような広い脱衣所、洗い場、浴槽をイメージしますが、渋温泉の九湯は全くの逆です。
まず浴槽が狭く、5、6人入ればいっぱいというくらいの大きさなので、当然脱衣所も狭いです。また、洗い場はありません。あくまで温泉に浸かることがメインのお風呂です。
 
↑2番湯の笹の湯と3番湯の綿の湯

初湯で渋温泉を体感!

編集者たちは、九湯の一番湯である「初湯(はつゆ)」に浸かってきました!

編集者たちが宿泊した旅館の近くには九湯のいくつかがあり、その中でも初湯は1番目の湯ということと、比較的空いていそうだったということで入ってみました。
旅館で夕食を終えた午後7時過ぎ頃、いそいそと入りに行くと男女とも初湯の中の灯りは点いておらず、人が入っていないことが外から伺えました。
旅館で受け取った専用の鍵を使って中に入り、戸を閉めると外側からは開かなくなります。古い建物ですが、鍵を持っている人しか入れないようオートロック式になっているのです。
入るとすぐ左手が脱衣所になっており、簡易的な仕切りが立ててあって脱衣所が見えないようになっていました(※完全に見えない訳ではありません)。脱衣所は3人くらいがちょうど良いくらいの広さでしたが、脱衣かごは6つほどありました。
ホテルの大浴場のように、鍵付きのロッカーなど貴重品を入れる所はありませんので、九湯へはタオルのみ持っていくのが良いでしょう。

服を脱いでから脱衣所の横の引き戸を開けると浴室が。見渡すと5人くらい入れる浴槽と加水用の水道・ホース、そして桶がいくつかあるだけの、本当に浸かるだけのお風呂がありました。
浴槽は狭いですが、浴室自体は天井が高くなっているのでそれほど狭くは感じませんでした。
さっそく湯船に入ろうと浴槽に近づいたのですが、浴槽から溢れているお湯がもう熱くて熱くて、歩くのがやっとなくらいでした(汗汗)
浴槽のお湯に触ってみましたが当然熱かったので、すぐに壁のところの水道から水を出してホースを足元に向けて再び浴槽に近づいていきました。
ホースを湯船に入れてしばらくすると手前の方が少しずつぬるくなってきたので、何度か脚を出し入れしながら少しずつ身体を入れていきました。浴槽は思ったよりも深く、段差もないため、片脚を入れても浴槽の底に足の先すら着かず(編集者の脚が短いためか、、)、片脚を入れたらもう片脚も一緒に入れないと着地できませんでした(汗)
水でだいぶぬるくなったとは言え、両脚を入れてからしばらくはジンジンとする熱さに耐えていましたが、ホースを巧みに使って(?)やっとこさ肩まで浸かることができました。浴室に入ってから湯船に完全に浸かるまで約5〜7分、、
かなり熱いということがお分りいただけたと思います。もちろん、人によって温度の感じ方が違うのですぐに入れる方とそうでない方、もしかしたら入れずにギブアップという方もいるかもしれません、、
ちなみに相方は加水しながらですが、割とすぐに入れたようです。

ゆっくりと手足を伸ばして浸かりながら湯船に入るまでの行程を思い起こしてみると、ほかにも入っている人がいたらすごく気まずいし恥ずかしいな、、と思ってしまいました(苦笑)
熱いお風呂が苦手な方は、人がいないタイミングを見計らって一人か家族や知り合い同士だけで入ることをオススメします(笑)

また、九湯にはそれぞれ効能や言い伝えのようなものがあります。初湯は行基が最初に発見し、托鉢の鉢を洗ったことから”鉢湯”→”初湯”になったそうで、胃腸にも良いことから”胃腸の湯”という別名もあります。
初湯以外にも、病気回復や子宝に恵まれる、美人の湯などの特徴があるので、気になるお風呂に浸かりに行くと良いと思います!

↑6番湯の目洗いの湯。目の病に効くとされ、昔から多くの方が目を癒しに来たとされています。

宿はピンキリ!何をメインにするかで選んで

湯田中渋温泉郷にはたくさんの宿泊施設がありますが、宿のランクによって宿泊代も当然変わってきます。
ネットで宿を調べていると、ここ良いなぁと思う所はだいたい2人で1泊2万円以上します。高いところでは2人で3万円以上も。安いところは2人で1万円前後くらい。もちろん、時期によっても変動します。

今回、編集者たちは取材がメインだったので、宿泊代は2人で2万円いかないくらい、でもせっかくだから宿で美味しいものを食べたい!という欲もあり、ネットで比較的安い1泊2食付きのプランを出していた「洗心館 松屋」を選びました。
コロナの関係もあり、できるだけ部屋数が少なくこじんまりとした宿、というのも決め手のひとつで、当日の宿泊者は編集者たちのほかに家族1組でした。
洗心館 松屋は渋温泉街の端の方に位置し、木造の3階建てで、渋温泉街のレトロな街並みに溶け込む外観です。
 
旅館の外側やロビー、部屋などに、支配人の趣味なのか”小さな世界”がたくさんありました(このアートは何と言うでしょうか?)。今話題の鬼滅の刃の作品も。とても精巧に作られているので、温泉街を歩く人々が足を止めて眺めていました。
 

老舗宿ということもあり、お手洗いやお風呂、洗面所は共同で部屋には付いていません。全部の宿を調べたわけではないですが、老舗宿が多い湯田中渋温泉郷は、リノベーションしていない限りお手洗いなどが共同になっているところは少なくないかもしれません。
また、食事は食堂(大広間など)か部屋食かということでも宿泊代が変わってくる宿もあります。部屋食の宿は高級な方なので値段が高いですし、部屋食に変更することができる宿でもその分料金が高くなることがあります。
ネットを見てみると素泊まりプランも多く(コロナだからかもしれません)、食事は外で済ませて宿では寝るだけという、宿にこだわらずにその土地の食事や観光を中心に楽しむスタイルを好む観光客も多いのでしょう。

↑夕食のメインは信州牛〜♫ 海なし県なので鯉のお刺身が献立にのぼる宿も多いです

宿の立地、宿の規模はどのくらいか、お手洗いや洗面所は共用か、食事はどこで食べるのかなどなど、宿を決めるのには色々なポイントがありますが、なるべく安く泊まるためには何を目的とするかによって選ぶことが重要なのだと思います。
もちろん、値段を気にせず贅沢できるのが一番ですけどね〜

湯めぐりだけでなく、ご利益散歩もオススメ♫

湯田中・渋温泉街には神社やお寺が多く、ご利益スポットを巡るのも良いかもしれません。
 
温泉街のメイン通りから外れて静かな雰囲気の裏路地を行けば、湯田中渋温泉郷を優しく見守る仏様や神様と出会えます。


↑茂みにひっそりと佇む毘沙門天堂

 
渋温泉を見下ろすように鎮座する渋湯神社と天満宮。神社まで足元が悪いので注意です。

 
なが〜い階段の上には高薬師。とても立派なお堂です。

 
渋温泉街の外れには武田信玄ゆかりの温泉寺が。お地蔵様の静かな微笑みに癒されます。。

温泉街の雰囲気を堪能したいなら、メインストリートだけでなく裏路地探索が吉です◎

周辺には様々な観光スポットも

湯田中渋温泉郷の周辺には様々は観光スポットがあります。
前述した「地獄谷野猿公苑」、通称スノーモンキーへは、温泉街から車で10分ほどの距離(駐車場からは15〜20分位歩きます)なので、行かない手はありません。
さらに車を走らせると、志賀高原にアクセスでき、スキーやスノボーを楽しむだけでなく、ロープウェイで景色が堪能できる竜王マウンテンパーク(ソラテラス)、深緑や紅葉が美しい池や湖、滝など標高2000mの自然を体感することもできます。
少し足を延ばすと、栗菓子で有名な小布施町や蔵の町として知られる須坂市など、長野ならではの自然や歴史に触れることができるスポットにもアクセスできます。

まとめ

開湯1300年以上の湯田中渋温泉郷。レトロな温泉街を歩けばタイムスリップしたかのよう。浴衣を着て下駄をカランコロン鳴らして風景に溶け込む。
裏路地探索でちゃっかりご利益も。あつ〜い源泉がたっぷりとたゆたうお湯に浸かれば疲れも一気に吹き飛びます。
観光スポットで思いっきり楽しんだら、信州屈指の温泉郷へ日頃の疲れを癒しに行きませんか?

【関連記事】
地獄谷野猿公苑−山ノ内町−観光地紹介 潤満滝展望台−山ノ内町−自然・展望所

関連記事

  1. 戸倉上山田温泉-千曲市-温泉地

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。