釈尊寺 布引観音−小諸市−観光地紹介

釈尊寺 布引観音

信濃三十三観音霊場第29番札所にあたる「天台宗布引山釈尊寺(ぬのびきさんしゃくそんじ)」。

断崖絶壁の観音堂には、牛に化身して強欲なお婆さんを善光寺に連れて行き、

改心させたという布引観音様(聖観音菩薩)が安置されています。

「牛に引かれて善光寺参り」の故事の元になった伝説が残る、天台宗の名刹です。

入山料

なし

拝観時間

なし

周辺の施設

◯ WC(駐車場)

駐車場

あり(無料/15台)

住所

〒384-0071 長野県小諸市大久保2250

アクセス

◯ 車利用
  上信越自動車道 小諸インターより車で約10分
◯ 鉄道利用
  北陸新幹線 上田駅より乗換え、しなの鉄道線 小諸駅よりタクシーで約10分

編集者コメント✑

30年以上長野で暮らしている編集者にとって布引観音は、行ったことはないけれど聞いたことはある場所として心の中に存在していました。
いつかは行ってみたいなぁと思いながら、編集者が初めて訪れたのは昨年の夏ことでした。
気まぐれに行ってみようとなり特に何も調べずに行きましたが、道のりが険しいことと、それを打ち消すかのような壮観な眺めとのギャップにより、とても印象に残る参詣となりました。

布引観音へは、千曲川沿いを走る県道40号線から布引山へと伸びる参道を通って行きます。
編集者はこの県道をよく通っていたので、布引観音へはここを上がれば良いんだなと思っていましたが、その道のりはけっこう険しかったです(汗)。
県道40号線は片側に千曲川、もう片側にはその地層がよく分かる岩肌がむき出しの布引山がそびえており、その景色には目を見張るものがあります。
車の中から布引山の絶壁を眺めるには大きく仰ぎ見なければいけません。
そんな山の上にあるお寺ですから、道のりが険しいことは容易に想像できたはずですが、参道を見上げながらジーンズとスニーカーで来て良かったと心から思いました(汗)。

砂利の駐車場はわりと広いですが、線が引かれている訳ではないので来た人から適に停め、後の人がそれに従う感じのようです。
お手洗いは駐車場の所にあります。お寺にはないので必要な方はここで済ませると良いでしょう。

参道の入口からはさっそく石段が伸びており、基本的にはお寺に着くまでは上りの階段が続きます。
正直、足腰に自信のない方はけっこう厳しいと思います。。
普段から歩いたり体を動かしたりしているシニアの方でしたら問題ないと思いますが、そうでない方には進めずらい道のりかと、、
(一応、車で布引山の上の方まで行ける林道布引線というのがありますが、道幅が細く急勾配な道のようです。Googleマップで見ると確かに経路が示されますが、航空写真には道らしきものは写っていません。)

参道は断崖絶壁が左右に迫る間に設けられていて、所々で小さな滝が岩間から滴り落ち、それが川となって参道脇を流れています。
また、参道脇には信徒によって寄進された木彫りのお地蔵さんが何体も並んでいるところがあったり、石が積み上げられているところがあったり、信仰の厚さを伺うことができました。

「善光寺穴」という洞穴も参道沿いに存在するようで、現在の長野市にある善光寺に繋がっていると伝えられる穴だそうです。
善光寺で火災があった時に、その洞穴から煙が出てきたという伝承があります。
次回訪れた時にはその洞穴をしっかり見てみたいです。

写真を取りつつ、休憩もしつつ、自然の豊かさに癒され、一歩、また一歩と上がっていく道のりは、何だか心と体が清められていくようで神聖な気持ちになりました(もちろん息は上がっていましたが汗)。
写真を撮ったりしながら進んだのでお寺まで片道30分位かかりました。
個人差はあると思いますが、ただ進むだけでしたら20分あれば着くと思います。

今回記事を書くにあたり、布引観音についてきちんと調べてみたところ、奈良時代に行基が開山し、聖徳太子が作ったとされる聖観音を祀ったとの寺伝があるということが分かりました。
戦国時代と江戸時代中期に2度の火事で消失しており、現在の釈尊寺は江戸時代後期に再建されたものです。
しかし、布引観音のシンボルとも言える「観音堂宮殿(かんのんどうくうでん)」は、鎌倉時代に建てられたもので、崖にへばりつくようにして建てられたため2度の火災を免れており、国の重要文化財に指定されています。

観音堂宮殿は、釈尊寺の前を通り過ぎ、岩のトンネルを抜けた先にあります。
お堂というよりかは舞台といった感じで、例えるなら京都の清水寺のミニバージョンと言ったところでしょうか。
崖を背にしてせり出したお堂からは、釈尊寺や小諸市、浅間山の景色を望むことができます。
とは言え、絶壁と絶壁の間に位置しているので、その岩間から街や山の景色を見る感じです。
それでも、その景色は壮観で、険しい道のりを登ってきたことが嘘のように疲れが吹き飛びました。

また、この釈尊寺と善光寺には深いつながりを示す「牛に引かれて善光寺参り」という説話があります。

昔々、小県郡(ちいさがたぐん/現在の上田市や東御市、小諸市などの東信)に心の貧しい老婆が暮らしていました。
ある時、布を軒先に干しているとどこからか一頭の牛が現れ、その布を角に引っ掛けて走り去ってしまいました。
老婆は怒ってその牛を追いかけましたが、逃げ足の速いこと、とうとう老婆は遠く離れた善光寺の金堂の前まで来ていました。
いつの間にか牛の姿は消え、善光寺の仏様の光明に照らされた老婆は悟りの心を抱いたのでした。
後日、老婆が近くの観音堂にお参りしたところ、牛に奪われた布が観音様の足元にあるのに気がつきました。
そこで初めて、この観音様が牛に化身して老婆を仏様のところへ導いたのだと気がつき、老婆はますます信心深くなり往生を遂げたと言われています。

そして今日では、釈尊寺のことを「布引観音」と称し、観音堂に行く手前に安置されている牛の置物は、この説話を表しているわけです。(善光寺にもこの説話にちなんで牛の置物がありますよー。)
善光寺の記事にも書きましたが、善光寺は昔から女性への救済があるお寺ですので、この説話の老婆に対しても性別を問わず導いたことが分かります。
また、「牛に引かれて善光寺参り」は「思ってもいなかったことや、他人の誘いにより良い方向へ導かれる」ことのたとえとして故事ことわざ辞典に載っています。

このように、調べてみるとけっこう歴史があり興味深いお寺であることが分かりました。
編集者の場合、行ってから後日調べることが多いのですが(調べとけば良かったと思うこともあります、、恥)、それはそれで次回の楽しみになるのかなーと前向きに(都合よく?)捉えています(笑)。
それでも、この記事を読んで興味を持って行ってみたいなぁと思う方がいてくださったら幸いです!

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